日本の夏、思春期の夏。初めての裏ビデオ♪

久しぶりに、この時間まで寝たり起きたりを繰り返すという駄目な1日。
雨上がりの土曜日の夕方、アスファルトの湿ったにおいで、中学2年の夏のことを思い出した。

ひとつ上の先輩から、「洗濯屋ケンちゃん」という、それはそれは素敵な映像作品が我々の代にもたらされ、急遽M上君の家で上映会が催されることに。

当時はまだ、土曜日は半日だけ授業があり、午後はほとんど学生が部活動に。

吉報がもたらされたのは、お昼にみんなで柔道部の道場に集まって弁当を食べていたとき。

他のやつらは、あの日の午後をどういう気持ちで過ごしたのだろう…。

おいらは、だんだんそわそわしていった気がする。
柔道部は、最後に正座したまま瞑想をするのだが、あのときほど雑念が入ったことはなかったはず(笑)。

17時くらいになるとそれぞれ部が終わるので、悪友軍団が自転車置き場に集合して、M上君の家へ。なぜ、彼の家が選ばれたかというと、実家が美容院を経営していて、その時間居住スペースには誰もいないから。

自転車組に徒歩組を2ケツして、全員立ちこぎ。
午後まるまる運動したのに、どこにまだ力が残っていたのだろう。
不思議だ。

汗だくのまま、M上家の麦茶をまわし飲みしながら、彼の作品をみんなで見たのだが…あれだけ無言で映像に集中したことって、後にも先にもない。

…記憶のインデックスは、不思議なもんやね。
嗅覚と視覚、触覚がドンピシャになると、たまに凄いことを思い出す。
せっけんと整髪料の混じった、いい匂いのM上家の居間にいたのは、20年くらい前やのに(しみじみ)。

ちなみに、ケンちゃんと奥さんが番ったのは浦安の埋め立て地ですが、数年後にはみんな大好き!ディズニーリゾートが建造されるという素敵なオチがあることはあまり知られておりません。

彼の地は、きっと性愛の業(カルマ)にとっての約束の地だったのでしょう。
だからこそ、ねずみや犬や魑魅魍魎がいる迷宮(ラビリンス)では、今日もたくさんの若人たちが惑っておると…まぁ、そういうことですな。