ATフィールドも、ちょっとは必要よね。

録画した『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』を見ながら、ぼんやり。

「やはり、最後の敵は同じ人間だったな……」

ネルフ本部が戦略自衛隊に攻め込まれたときに、副司令の冬月がこう言うが、これは17年経った今も役立つ、示唆に富んだ台詞だ。

例えば、会社について考えると、入り口に警備を配置したくらいではすぐに突破出来るし(笑)、静脈認証クラスのセキュリティでは、悪意のある者は止められ ない。ちなみに、後者については不要な物理的接触を促すため、インフルエンザなどの流行時は逆に自滅を促すシステムで、個人的にはどうかと思っている。

よくある名前(「佐藤」「鈴木」「田中」「渡辺」あたり)を尋ねて来た他者を、受付でどれだけはじけるのか、考えてみたら良い。きっと、お客様ということで、好意的に解釈して、最終的には受け入れるのではないか。

先日行った、大手ネット企業がたくさん入ったビルディングでは、受付で名刺を2枚求められた。なにかしら意図があることだと思い、角度を変えて質問する と、「1枚だと偽れる可能性があるが、2枚だとその可能性が下がる。そこで、ハードルをひとつ設けている」ということを、あっさり教えてくれた。それを他 人に言ったらいけないよなぁ。でも、人間の心のファイヤーウォールはその程度のものなのだ。

テクノロジーがどれだけ進んでも、「ソーシャルエンジニアリング」はその先を行く。人間は人間を克服することが肝要であることよ。優秀なプログラマは、こ の辺りの悪意も抽象化して、コードに反映出来るはず。フェールセーフを追求するときは、えげつない行為をどこまで想像出来るか、その「外道さ」も意外と大切なのよね。